緑と緑の隙間から（過去を思い出す自分をキャッチして）

高校生の時の事ですが、電車に乗って窓を見るのが好きでした。

特に緑が見える場所が好きでした。

ある時、ぼんやり窓を眺めていると...

緑の木々の隙間から誰かが私を思い出している（見ている）感覚にとらわれました。

それは、今の私を誰かが見ているというのに、すごく似ているのです。

それは、誰なのか？自分を良く知っているようで誰なのか？つかめそうではぐらかされるように分からなくなってしまうのです。

結局、分からないまま時間が過ぎてしまい、いつの間にか、すっかり忘れていました。

ふと、偶然車で通りすがりに信号待ちになり、緑の木々を眺めていると...電車が通り過ぎて行きました。

そして、気がついたのです。

私は緑の木々の間を通り過ぎる電車を見て、あの電車に乗って通学していたことを鮮明に思い出したのです。

でも、過去の私は、未来の私が思い出しているというのを、同じ時間の流れの中にいる人が自分を見ていると勘違いしていたんだなって事にようやく気がついたのでした。

高校生の私は、未来（今の）私が高校生の時を思い出しているのを、別の誰かが、こちらを見ていると思っていたのだと思います。

とても不思議な感覚でした。